追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

「ここが、神獣が住まう世界とこちらの世界を行き来できる入口だ」
「世界の、入り口……?」

 エリスが驚いていると、イリオは木に空いた穴に手をかざす。すると、穴の中がゆらゆらと揺らめいて、そこには違う景色が現れていた。

「俺たち神獣はこちらの世界で命を落としても元の世界で生きることができる。だから、エリスに出会う前にはあのまま命が尽きてもいいと思っていた。だが、今はお前を守り一緒に生きていくために、お前をあちらの世界へ連れていく必要がある」

 イリオはエリスを見ながらエリスに片手を差し伸べる。

「あちらの世界に行ったら、こちらにはもう戻るつもりはない。俺はエリスを安全な場所で守りながら一生一緒に生きていくと決めている。だが、エリスがこちらの世界に未練があれば話は別だ。俺はエリスの嫌がることはしたくない。エリスの意思を尊重したい。エリスは、どうしたい?」