追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 レイヴンの力強い言葉に、イリオは今度こそ観念した。

――良いだろう。お前を、俺の従者にしてやる。契約だ

 イリオがそう言うと、イリオの足元に蒼白い光の魔法陣が浮かび上がる。同時に、レイヴンの足元にも同じ魔法陣が蒼白く光輝いた。

――汝、神獣イリオの従者となりてその命を我とこの森に捧げよ

 イリオがそう言うと、レイヴンの足元の魔法陣がより一層強く光輝く。レイヴンの周囲に小さな竜巻のようなものが巻き起こり、レイヴンは光と風に包まれて見えなくなった。そして、その光と風が止むと、カラスだったレイヴンはいつの間にか人間の姿になっていた。

 風に靡くと光を反射して青や紫色に変化する艶やかな黒髪に、濃い紺色の瞳、スラリとした体は真っ黒な服に身を包んでいた。

「これが、俺?」

――そうやって、自由に人間の姿に変身することもできる。一通りの魔法も使えるし、身体能力も強化されている。お前はもう、ただのカラスではない。神獣の従者であり、この森を守る者だ

 レイヴンは驚きながら自分の体をきょろきょろと見渡し、それからハッとしてその場にひざまずく。

「イリオ様、ありがたき幸せにございます。誠心誠意、あなたとこの森に尽くさせていただきます」