追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

(ひっ!喋った!)

 思わず叫びそうになり、エリスは両手で自分の口元を塞いだ。そんなエリスを見て、男は不思議そうな顔でエリスを見つめている。

「どうした?」

 少し低めの良い声でそう聞かれ、エリスは両目を見開く。そんなエリスの両手をそっと口元から外して、男はエリスのローズピンクの髪の毛を優しく撫でた。

「ようやくこうやってエリスを撫でてあげられる。いつもは俺がしてもらってばかりだったからな。これはお礼だ」

 フッ、と優しく微笑むと、男はまたエリスを優しく撫でる。

(お礼?って何の?えっ?っていうか、すごいイケメンに頭撫でられてる……?)

 突然のことでエリスはキャパオーバーになり、そのまま気を失ってしまった。





(んんん、あれ、私、寝てた?)

 ふと目が覚めて目を開くと、また見知らぬ男がいた。

(まだいる!?まさか、夢じゃなかったの!?)

「な、なんで……?あなた、一体誰なんですか?どうしてこんな、私のベッドの中に?しかもなんで上半身裸?」

 混乱するエリスを見て、男はふむ、と呟いてから体を起こして指をパチンと鳴らす。すると、男の体に服が現れた。

「これでいいか?それに、なんでってエリスが俺をベッドの中に入れてくれたんだろう」
「えっ?私が?そんな、あなたのことなんて知りません」

 エリスも体を起こして慌てて否定すると、ああ、と男は少し笑って、また指を鳴らした。すると、ポンっとその場に煙が上がって、そこには世話をしていた白銀の犬の姿があった。