追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 レイヴンの背中に大きな大きな翼が広がり、その翼からたくさんの数の羽根がわかれてレイヴンの周りを浮遊する。そしてその羽根は次第に形をかえカラスの姿になり、いつの間にかレイヴンの周りには数えきれないほどのたくさんのカラスが翼を広げて浮いていた。

「カーカー」
「ガー」
「ガアッ!」

 黒い集団はその美しい羽を艶やかに光らせながら、けたたましい鳴き声を辺り一面に鳴り響かせる。

「ひっ!カ、カラスがあんなに!?」
「な!い、いや、怯むな!所詮はカラスだ、蹴散らしてしまえば問題ない!切り捨ててしまえ!」

 兵士の一人がそう言うと、レイヴンは笑みを浮かべながらも眉ピクリと動かす。

「所詮はカラス、だ?」

 レイヴンがそう言った瞬間、レイヴンの周りにいた真っ黒な集団は一斉に兵士たちへ襲い掛かった。

「ひいいい!」
「ガアー!」

 兵士たちは一心不乱に剣を振り回すが、兵士一人に対して何十羽ものカラスたちが取り囲む。鋭い爪は兵士の体に食い込み、嘴は肉を食いちぎろうとする。あまりの激痛に兵士たちは叫び声をあげていた。

「どうした?所詮はカラスなのだろう?どうだ、カラスに痛めつけられる気持ちは。お前たちのような下品で頭の悪い下等な生き物より、よっぽど頭が良くて聡明な生き物なのだよ我々は。そして神獣であるイリオ様はもっと素晴らしいのだ!お前たちごときが束になっても敵うようなお方ではない!」