追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜




(こんなに森の奥まで来たことなかったかも)

 イリオに手をひかれ森の中を歩いていたが、いつの間にかエリスは来たことのない森の奥まで足を運んでいた。近くからは小川のせせらぎの音が聞こえる。

「エリス、疲れていないか?少し休もう」

 そういって、イリオはポンッと狼の姿になると、木陰に座り込み地面に顔を近づけて寝そべる。

――俺の背中に寄り掛かって座ればいい。少しは楽だろう

「えっ、いいの?イリオ疲れない?」

――問題ない、俺を何だと思っている

「ふふっ、神獣様だものね。ありがとう」

 エリスは嬉しそうに笑って、イリオの体に背中を預けるようにして座る。

(うわあ、ふかふかのソファみたい)

「ねえ、そういえば、あのレイヴンさんて人とは昔からのお知り合いなの?ずいぶんと仲がよさそうだったけど」

 エリスがそう尋ねると、イリオは地面に顔をつけたままフンッと鼻を鳴らす。

――ああ、あいつとはもうかれこれ何百年という付き合いだな

「そんなに!?カラスから人の姿に変身していたけれど、レイヴンさんも神獣か何かなの?」

――あいつは元々ただのカラスだ。俺がたまたま気まぐれで助けてやったら俺を命の恩人だといって慕ってきて、あまりにもしつこくつきまとうから従者にしたんだ。契約を交わしたからあいつの寿命は延びたし、ああやって変身することもできる

 そう言って、イリオは昔を思い出すかのように目を細めた。