追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

「イリオ様、私にお任せくださいませんか。イリオ様の手を煩わせるまでもありません」
「そうだな。お前も久々で体がなまっているだろう。ウォーミングアップにはちょうどいい。お前に任せる」
「はっ!ありがたき幸せ」

 イリオの言葉に、レイヴンは目を輝かせて喜んでいる。そして、お辞儀をすると黒い煙と共に上昇してカラスになり、そのまま飛んで行った。

「行っちゃった……」

レイヴンが飛んで行った方向をエリスは心配そうに見つめる。

(ファシウス様の追手なら、もしかすると兵士とか騎士かもしれない。レイヴンさん、一人で行って大丈夫なのかな)

「あいつなら大丈夫だ。俺の従者なのだから兵士や騎士程度に簡単にやられはしない。俺たちも行くぞ」

 まるでエリスの気持ちを読んでいるかのように言うと、イリオはエリスの手を握って歩き出した。