「屋敷を出るのはなるべく早い方がいい。きっとあの第一王子はすぐにでも行動を起こすだろうからな。できるだけ早く準備をして婚約の申し込みが届く前にここを出よう」
「準備って、どうすればいいの?」
「最低限の荷物をまとめるくらいだな。あとは俺が何とかする。大丈夫だ」
体を離してイリオはエリスの顔を覗き込み、しっかりとうなずいた。イリオの顔は自信に満ち溢れている。その顔を見て、エリスはなんとなく心がほっとして安心するのを感じていた。
*
誰かが追いかけてくる。エリスは必死に走って逃げているが、後ろから誰かがどこまでもしつこく追いかけてくるのだ。
(ファシウス殿下?)
なんとなくファシウス殿下の気配のような気がしてそう思っていると、急に何かにつまずいてエリスは転んでしまう。
「痛っ」
早く立ち上がって逃げなければ。そう思った時にはすでに遅く、追ってきた気配がすぐそばにあるのを感じて顔を上げる。
だが、そこにいるのはファシウスではなく、見知らぬ男だった。嬉しそうににんまりと笑うその顔は、ただただ恐ろしく思える。
「ようやく捕まえた」
そう言って、男がエリスに手を伸ばしてくる。
(怖い!)
エリスは、ギュッと目を瞑った。
「準備って、どうすればいいの?」
「最低限の荷物をまとめるくらいだな。あとは俺が何とかする。大丈夫だ」
体を離してイリオはエリスの顔を覗き込み、しっかりとうなずいた。イリオの顔は自信に満ち溢れている。その顔を見て、エリスはなんとなく心がほっとして安心するのを感じていた。
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誰かが追いかけてくる。エリスは必死に走って逃げているが、後ろから誰かがどこまでもしつこく追いかけてくるのだ。
(ファシウス殿下?)
なんとなくファシウス殿下の気配のような気がしてそう思っていると、急に何かにつまずいてエリスは転んでしまう。
「痛っ」
早く立ち上がって逃げなければ。そう思った時にはすでに遅く、追ってきた気配がすぐそばにあるのを感じて顔を上げる。
だが、そこにいるのはファシウスではなく、見知らぬ男だった。嬉しそうににんまりと笑うその顔は、ただただ恐ろしく思える。
「ようやく捕まえた」
そう言って、男がエリスに手を伸ばしてくる。
(怖い!)
エリスは、ギュッと目を瞑った。



