追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

(どちらかを選ぶ?今すぐに?)

 エリスの瞳は動揺して揺れているが、イリオはそれを見てエリスの肩を掴む手を少しだけ強めた。

「まだ俺の力は完全には戻っていない。それでも、お前を連れて安全な場所で住むことはできる。お前を不安な思いにはさせないし、不自由もさせない。お前がいつでも笑顔でいられるように俺はなんでもしたい。なあ、エリス、俺を選んでくれ」

 懇願するようにイリオはエリスをジッと見つめる。

(私は、……イリオと離れるなんて嫌だわ)

 もしファシウスを選べば、きっとイリオと一緒にはいられないだろう。イリオは神獣で、なぜか国から命を狙われていたのだ。ファシウスにイリオの正体がばれれば、きっとまたイリオは狙われてしまう。

「私、イリオと一緒にいたい」

 エリスがひとことそう呟くと、イリオは両目を大きく開いてから満面の笑みを浮かべた。そして、エリスをギュッと力強く抱きしめる。

「よかった。俺もエリスと一緒にいたい。もう二度と離れたりなんかしない、絶対に」

(もう二度と?)

 イリオとは初めて会ったはずなのに、どういう意味だろうか?エリスは疑問に思ってイリオに尋ねようとするが、その前にイリオが口をひらいた。