「君のご実家もきっと喜ぶだろう、悪い話ではないと思うよ」
「で、ですが、どうしてファシウス殿下は私を?もっとふさわしいご令嬢はたくさんいるはずです。罪滅ぼしとおっしゃいましたが、そこまでしていただく必要はありません」
「んー、そうだな。それなら、僕が君を気に入っているからということなら納得できる?テレサの前で君を可愛いと言ってしまったことが事の発端だったということは君も知っているだろう。僕は君を初めて見たとき、本当に心の底から可愛いと思ったんだ。君から目が離せなかった。僕は君を気に入ってしまったんだよ」
優しく微笑むファシウスの微笑みは、まるで見たものを蕩けさせてしまうような微笑だ。エリスもその微笑みと言葉に思わず顔を赤らめてしまう。イリオは険しい顔でただ黙って話を聞いていた。
「そういうわけだ、君には僕の婚約者になってほしい。無理強いをするつもりはないよ、でも僕が第一王子ということはわかっていてほしいな。後日あらためて正式な文書で申し込むよ。それまで真剣に考えていてほしい」
「わかり、ました……」
エリスは茫然としたままそう言って小さくお辞儀をする。ファシウスはそれを見て満足そうに微笑み、チラリとイリオを一瞥すると口の端を少しだけ持ち上げた。それに気づいたイリオは目を見張り、キッとファシウスを睨みつける。
「エリス様、お話が終わったようですので屋敷へ戻りましょう」
「え、ええ。それでは殿下、失礼します」
イリオに促されたエリスは、ファシウスに挨拶をする。イリオはファシウスを一瞥すると、エリスを守るようにして歩き出した。
二人の背中を見守りながら、ファシウスはふうん、と小さく呟く。
「もっと時間をかけて落としたかったけど、邪魔者が現れてしまったな。まあ、邪魔者は消せばいいだけの話だ」
そう言うファシウスの顔は、先程までの爽やかな表情とは打って変わって、何かを悪だくみするような卑しい表情になっていた。
「で、ですが、どうしてファシウス殿下は私を?もっとふさわしいご令嬢はたくさんいるはずです。罪滅ぼしとおっしゃいましたが、そこまでしていただく必要はありません」
「んー、そうだな。それなら、僕が君を気に入っているからということなら納得できる?テレサの前で君を可愛いと言ってしまったことが事の発端だったということは君も知っているだろう。僕は君を初めて見たとき、本当に心の底から可愛いと思ったんだ。君から目が離せなかった。僕は君を気に入ってしまったんだよ」
優しく微笑むファシウスの微笑みは、まるで見たものを蕩けさせてしまうような微笑だ。エリスもその微笑みと言葉に思わず顔を赤らめてしまう。イリオは険しい顔でただ黙って話を聞いていた。
「そういうわけだ、君には僕の婚約者になってほしい。無理強いをするつもりはないよ、でも僕が第一王子ということはわかっていてほしいな。後日あらためて正式な文書で申し込むよ。それまで真剣に考えていてほしい」
「わかり、ました……」
エリスは茫然としたままそう言って小さくお辞儀をする。ファシウスはそれを見て満足そうに微笑み、チラリとイリオを一瞥すると口の端を少しだけ持ち上げた。それに気づいたイリオは目を見張り、キッとファシウスを睨みつける。
「エリス様、お話が終わったようですので屋敷へ戻りましょう」
「え、ええ。それでは殿下、失礼します」
イリオに促されたエリスは、ファシウスに挨拶をする。イリオはファシウスを一瞥すると、エリスを守るようにして歩き出した。
二人の背中を見守りながら、ファシウスはふうん、と小さく呟く。
「もっと時間をかけて落としたかったけど、邪魔者が現れてしまったな。まあ、邪魔者は消せばいいだけの話だ」
そう言うファシウスの顔は、先程までの爽やかな表情とは打って変わって、何かを悪だくみするような卑しい表情になっていた。



