追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 エリスが不思議そうにイリオを見つめ返すと、イリオは突然エリスの額にチュッとキスをする。そのまま、エリスの顔のあちこちにキスを降らせてきた。

「やっ、くすぐったいってば!」
「ふふ、愛しいエリスを愛でてるだけだろ。本当に可愛いな」

 そう言って、イリオはぎゅっとエリスを腕の中に閉じ込めた。甘い。砂糖を煮詰めたように甘い。契約後、イリオはとにかく甘いのだ。そういう行為までにはまだ至っていないが、とにかくイリオは甘く、隙があればいちゃいちゃしてくる。

(心臓がいくつあっても足りないんだけど……)

 顔を赤らめながら、エリスはイリオの胸に顔を押し付けた。

(どうしてイリオはこんなにも私を大切にしてくれるんだろう?瀕死の状態だったイリオを助けたからなのかもしれないけど、それだけでこんなになるものなのかな?神獣だから?神獣は気に入った人間を手放さない、とかそういうことがあるのかしら)

 そもそも、神獣なんて生き物はイリオに出会うまで知らなかった。追放されてからは今いる屋敷にほぼ閉じ込められているようなもので、外の世界での出来事もあまりよく知らない。

(私、知らないことばかりだわ)

 イリオの腕に抱かれながら、エリスはそのままうとうとと眠りに入っていった。