追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 ふう、と小さくため息をついて、エリスはそっと寝ているイリオを見つめる。

(っていうか、イリオったらもう人の姿で寝るようになっちゃったな。今もイリオに抱きしめられてるし)

 日に日にイリオの力は回復し、朝メイドが起こしに来た時は瞬時に狼の姿に変身できるから問題ないとイリオは言い張っている。実際、メイドたちにイリオの人間の姿を見られたことは一度も無い。

イリオは意外としっかりとした体つきをしていて、がっしりとエリスを抱きしめている。簡単には腕から逃れられそうもない。イケメンに抱きしめられてドキドキしないわけはないのだが、なぜかドキドキするのと同じくらい安心感がある。ホッとして、いつの間にか寝てしまうのだ。

「ん、……どうした?」

 イリオがうっすらと目を開けてエリスに尋ねる。

「あ、ごめんなさい、起こしちゃった?」
「いや、別にいい」

 そう言って、イリオはエリスの顔をまだ眠そうな瞳で見つめている。

「?」