追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜





 ーー……ア!死ぬな!俺を置いて死ぬなんて許さないからな!

 目の前に、イリオの顔がある。イリオは、ボロボロと大粒の涙をこぼして泣いていた。イリオの背後には、木々が生い茂っているのが見える。見慣れない森のようだが、一体どこだろうか。

(あれ?私、地面に寝てるの?どうしてイリオは泣いているんだろう?それに、イリオが名前を呼んだきがしたけれど、誰のこと?)

 ーーたとえお前がいなくなっても、俺はまた絶対にお前を見つける。お前が違う姿になっても、俺は絶対に、お前を見つけるから。だから……





 ハッ!とエリスの両目が開かれる。目の前には、人の姿をしてすやすやと寝ているイリオの姿があった。昼間、イリオと契約をしてからまたいつものようになんてことない一日を過ごし、夜になると一緒に寝ていた。

(あれ?もしかして、夢?)

 なぜ夢の中でイリオはあんなに泣いていたのだろう。それに、イリオが呼んだ名前もエリスではなかった。でも、その名前も思い出せない。所詮夢なのだから、深い意味はないのだろう。

(でも、なんだかすごくリアルな夢だった)

 イリオから流れ落ちる涙が自分の頬につく感触、イリオの腕の温もり、木々の爽やかな匂い。まるで、本当にそこにいたような夢だった。