追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 そう言って、イリオはエリスの首元にガブッと噛みついた。イリオの犬歯がエリスの首に食い込む。牙が自分の肉に刺さった感触がして、エリスは大きく目を見開いた。

「やっ!」

 痛くてエリスが小さく悲鳴をあげると、イリオはすぐに牙を抜き、噛みついた所を舌でぺろぺろと舐め始めた。ざらざらした舌の感触がして、エリスは思わず身をよじるが、イリオが逃がさないと言わんばかりにエリスの腰に手を回して固定する。

(んっ、なんだか、こそばゆい)

 痛かったのに、今度はなんだかくすぐったくて、感情も感覚も右往左往して忙しい。

「これでいいだろう」

 イリオが首元から顔を離すと、噛み付いた場所に紋様が浮かんで光る。だが、すぐにその紋様は消えていった。

「契約は終了だ。これでお前は俺のもの、俺はお前のものだ。俺たちを引き離すものはどこにもない。俺は何があってもお前の元に駆けつけ、お前を守る」

 そう言って、イリオはつーっと指でエリスの首元をなぞった。

「んっ、またくすぐったい!」

 イリオにキスをされて噛みつかれてから、体がぽかぽかと温かくてジンジンするし、触られるだけでくすぐったい。神獣の力を流し込まれるとこうなってしまうのだろうか。

「お前はさっきから随分と可愛い反応をするな。そんな姿、俺以外に見せるなよ、絶対に」

 そう言って、グルル、と小さく唸りながらイリオはふわりと優しくエリスを抱きしめ、はむはむと耳やら首やらを甘噛みしている。痛くはないが、ずいぶんとくすぐったくて、エリスはまた身もだえている。