追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

 それとも、と急に静かな声音でイリオはエリスの顔に近づく。鼻先が触れ合うほどの距離でイリオは止まった。

「俺と一緒は嫌か?」

 目を細め、まるで何かを探るようにエリスを見つめている。

「嫌、じゃないけど……あまりに急すぎてよくわからないわ」

 エリスがきゅっと目を閉じてそう答えると、イリオは二カッと笑ってエリスの頭を豪快に撫でた。

「まあ、確かに急すぎたな。よし、俺の力が戻るまで、考えてみてくれ。強制はしない。エリスが望むことを俺は叶えたい」
「……ん、わかった。ありがとう、イリオ」

 エリスがホッとした顔でそう言うと、イリオの尻尾は盛大にぶんぶんと振られ、イリオはすぐにニヤリと不敵な笑みを浮かべる。そんなイリオを不思議そうな顔でエリスが見ると、イリオはそっとエリスの後頭部に片手を添えた。

「その話はいったん保留だが、エリスは俺が嫌なわけではないのだろう?だったら、まずは契約を結ぼう」
「けいやく?」