追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

「はあ、どいつもこいつも、人間はクソばかりだな。だが、合点は入った。お前の治癒が俺に効いたのは、お前の母親が魔女だからだ。おそらく、お前の母親は元聖女だろう。国によっては、聖女の役目が終わると街に降りて魔女として生活することもある。元聖女の娘であれば、神獣である俺に治癒魔法が効くのも、森の精霊たちに愛されているのも当然だ」

(そういうものなの?知らなかった)

 きょとんとした顔でイリオを見るエリスに、イリオはフッと微笑む。

「やはりお前は俺にとって特別な人間のようだな。よし、そうとなれば話ははやい。俺の力が戻ったら、ここを出るぞ」
「……へっ?」
「お前はこの国でぞんざいな扱いを受けている。家の人間もお前を娘としてちゃんと扱っていない。お前は、このままここで暮らしていて満足か?たとえ追放が解けて実家に戻ったとしても、お前の居場所はないのだろう?だったら、俺と一緒にこの屋敷から出ればいい」

(え……出て行く?イリオと一緒に?って、どこへ?)

 イリオの言葉に、エリスはただただ唖然とすることしかできない。

「どこに行くのかという顔をしてるな。俺の力が戻れば、どこにだって行ける。どこにだって住める。おれは神獣だ。お前を幸せにすることくらい造作もない。心配するな、お前は俺が幸せにしてやる」