一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「俺もどうしたもんか参っててさ…。だって信じられないだろ?朝起きたらもふもふテディベアになってたなんて!こんな事って有りかよ〜!?」

治の腕に座りながら俺が わっ と また泣き出すと「おー、よしよし」と響が慰めてくれた。

「まぁ どっかの偉い人達が宇宙人は居るとか言ってるし、人間が突然ぬいぐるみになっちゃうって事があっても 可笑しくはないんじゃね?」

「可笑しいよっ!!絶対可笑しいっ!!間違いないっ!!」

「そんなムキになんなくても……」

「あら、いらっしゃい!うちに買いに来てくれたの?」

八百屋の店の奥から出て来た見覚えのない綺麗な女性を見て うちの治の目が ぎゅんっ と飛び出した。

「あれ、いつものキヨミ叔母ちゃんじゃないんだ?」

こそこそっ と響に聞くと

「あぁ!キヨミ叔母ちゃん、ぎっくり腰になっちゃったからしばらく休むんだって。で、この人はキヨミ叔母ちゃんの娘さんの藍那《あいな》さんで、フルート奏者で普段は所属してるオーケストラの人達と各国あちこち回って演奏してるんだけど、今は大きな仕事がひと段落したとこだから連休使って実家に帰って来てんだってさ」

「そうなんだ!へぇ、あのキヨミ叔母ちゃんの娘さんがこんな美人だったなんて知らなかったから びっくりしたよ。なぁ、治……治?」

藍那さんを見ながら目を飛び出させたまま硬直してる治の顔を 藍那さんが背を向けて野菜を並べてる隙に もふもふ叩くと ようやく治は はっ! と我に返った。