一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「これより点灯いたします。…点灯っ!」

スピーカーから聞こえてきた市長の合図でついに並木道の電球に灯りがついたワン。

パアァァッと明るくなった並木道を観てお客さん達が わっ と笑みを浮かべながら拍手し始めたワン。

「貴方《糞ジィ》写真撮って!写真!」

「パパ可愛く撮ってよね!」

「えっ、ねぇねぇパパも一緒に写真に写っちゃダメなの?」

「パパが入ったら映えないじゃない!」

「あ〜んっあ〜んっ!!うわあぁ〜んっ!!」

「……わ、また学園長達だ。並木道の方に行ったんじゃなかったんだ…」

学園長また奥さんと娘さんに泣かされてるワン…。

自分だってバレないようにしようと思ってかフミちゃんは俯きがちに早歩きで学園長の後ろを通り過ぎて行ったワン。

でもそのすぐ近くで「はいっちーずっ!」と仲良しなどっかの家族がイルミネーションをバックに3人で写真を撮っていたワン。

ー何か悪い事したわけじゃないのに私いつまで身体丸めて隠れるように歩いてなきゃならないんだろう!?

これじゃあただのクリスマス泥棒みたいだワン。

早足で2家族を通り過ぎて行ってようやくひと通りの少ない歩道橋のところに来るとフミちゃんはホッと胸を撫で下ろしたワン。

「あ〜疲れた…お母さん駅の方で車で待ってるって言ってたけどあっちまで行く間にまた知り合いに会わなきゃ良いな…」

ぶつぶつ呟いてると並木道の方から「メリークリスマース!!」と言う声と一緒にクリスマスっぽい曲が流れてるのが聞こえてきたワン。

「ワム!の“ラスト・クリスマス”…か」

クリスマスの定番って感じだけど確かあの曲って失恋ソングだったような気がするワン…。