一滴ポーション、俺クマちゃん!?

 
ーこの物語は、諗と同じ学校のクラスメイト達のお話しである。ー


 「う〜っ…寒いっ!」

はぁ〜 と息を吐くとそれはすぐに白い息に変わって あぁ、もう冬真っ只中なんだなぁ って改めて思ったら何だか余計に寒く感じたのか私を抱っこしたまま身震いしたのは愛犬マルチーズである私・“ヒマワリ”の飼い主 野々口文未《ののぐちふみ》こと“フミちゃん”だワン。

うちのフミちゃんは同じ学校に通ってる同級生の愛屋季優《あいやきひろ》君に片想いしてるワン。

手袋をしているのにまだ冷たい指先を両手で擦りながら今日発売の文庫本とお母さんに頼まれた夕飯の材料を買いにいつも行っている本屋とスーパーに向かって歩いていると並木道に電球を取り付けているつなぎを着た男の人達の姿が見えたワン。

「何して…あ…そっか…そう言えばテレビで今日からイルミネーションが始まるって言ってたっけ…」

寒い中お疲れ様ですワン。

フミちゃんと一緒に歩いていると「ねぇねぇ今日観に来ようよ〜!お願〜い!」と腕を組んだカップルが私を通り過ぎて行ったワン。

「えぇっ…寒いじゃん!?」

「頭からつま先までホッカイロめっちゃ貼ってけば良いじゃん!」

「そんなに貼ったら火傷するわ!イルミネーション見に終わった後には焦げ焦げになってるわ!」

「あ〜んっ観たい観たい〜!!」

「うっせぇなぁ…まぁ別に良いけどさ。じゃあ混むと大変だから早めに夕飯食って点灯ちょい前くらいに着くように早めに家出て来ようぜ」

「うんっ!!」

女性は頬を染めながら嬉しそうに頷くと「ありがとう…」と男性の肩に頭をそっと乗っけたワン。

「……バカップルめ…。……はっ!!だっダメダメッそんな事言っちゃ!!クリスマスなのに……って、そっか今日クリスマスだったっけ…」

どうりでやたらハートを撒き散らかしながらいちゃいちゃ歩いてるカップルが多いと思ったワン。

「…ってか私、イルミネーションとかクリスマスとか色々忘れ過ぎじゃない!?服だって今まで家でぐうたらしてましたみたいなラフな格好だしっ、化粧してないしっ、女子力無っ!!……はっ!こんな格好愛屋君に見られたら…………………………………………」

フミちゃんは独り言が多いワン。

「………。…そう言えばしばらく会ってないけど愛屋君今頃どうしてるかな?」

頬っぺを赤くしながら季優君の事を考える時間があったらさっさと“好きです!”って言っちゃえば良いのにいつになったら告白するワン?今は学校に通ってる最中だから良いかもしれないけどフミちゃんは高校1年生。つまり一緒に居られるのはもうあと2年くらいしかないんだよ?…