一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「こ、小森くん…い、今 誰に聞いたの?」

「…諗に」

「えっ、春川くん?何処にも居ないけど…?」

「いや、実はさ…驚かないで聞いてほしいんだけど、これが“春川諗”なんだ」

響は お人形ごっこしてるみたいで ちょっと恥ずかしかったのか、少し照れながら俺を両手で持って須賀さんの前に スッ と出して見せた。

無論 須賀さんは何を言われてるか分からず俺を凝視したまま一言も発せず固まってしまっている。

「お、おーい、須賀さーん?もしもーし」

響が須賀さんの顔の前で手を振るけど須賀さんはビクともしない。

仕方ないか、ぬいぐるみが俺だって言われたって普通は信じられない事だし、大体今まで あっさり ぬいぐるみになった俺を平然と受け入れてた奴らが ちょっと可笑しかったんだ。治《あいつ》とか、小森家一員《あの人達》とか…。須賀さんのこの反応が正解だったんだ。

だけど このまま フリーズしたままで居られるわけにはいかない…。これからの俺の人生が須賀《この人》さんに かかってるかもしれないんだからっ!

「おい!須賀さん!」

もふっ! と須賀さんの顔を叩くと 須賀さんは やっと「わっ!」と起動した。

「えっ…今ぬいぐるみから春川くんの声がしたような…しかも今 ぬいぐるみ動いた!?」

「動くよ、生きてんだから、俺なんだから!」

「しゃ、喋ってる〜〜〜っ!!どうして 何で ええぇえぇ〜〜〜っ!!?」

「す、須賀さん、落ち着いて!俺も最初 言われた時 驚いたけど、こいつ本当に諗なんだよ。今朝 起きたら ぬいぐるみになってたんだって」

「嘘っそ〜……怖……」

「怖って言うな!そもそも俺がこんな姿になっちゃったのは須賀さんが前の日に嗅がせてきた香水が原因かもしれないんだから!」

「こ、香水???……って、何かあったっけ?」

昨日の事なのに すっかり忘れてしまってる須賀さんに俺と響は がくっ と した。