一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「遅ぇよ、響!」

「ごめんって!」

こそこそ話してると

「あら、この ぬいぐるみ、貴方のだったの?お店のじゃなかった…かしら?」

アユちゃんママが不思議そうに野沢さんを見た。

「あっ、ええっと…」

「この、店、友達の店で、たまに ぬいぐるみ置かせてもらってんですよ!ね?お姉さん?」

さすが響。家の手伝いしてるだけあってどんなトラブルでも迅速に対処。そしてアドリブがめちゃくちゃ上手。

「まぁ、そうだったのね!…ごめんなさい、その ぬいぐるみ うちの子がお尻の部分 破いちゃって…修理費を払いますわ。おいくら?」

「あぁ、お金は要らないです!それに この ぬいぐるみ最初からボロかったし!」

ボロくしたのはお前だっ!泥水の中に落とした事 一生恨むからな!?

「そう?なら良いんだけど……あっ!アユ、そろそろピアノのお稽古の時間だから行きましょうか?佳奈《かな》先生が待ってるわ」

「うん!」

「ぬいぐるみ、本当にごめんなさいね。それじゃあ、私達はこれで失礼しますわ」

「野沢しゃん、お兄ちゃん、クマちゃん、ばいばい」

にこにこ しながら小さな手を振って お母さんと手を繋いで帰って行くアユちゃんに 「ばいば〜い」と皆で手を振り返し、俺は響に抱っこされたまま安堵の ため息。

はひぃ〜、マジ焦った〜……!!危なく 買われるとこだった…。