一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「仕事柄あんまり匂いのするものは着けられなくて…でもせっかくだから今日この店に来たのを機に着けて歩いちゃおっかなぁ、な〜んて」

何言ってんだ、このオッさん。

「諗のお父さんって本当美人や可愛い子に弱いのな」

「めんぼくねぇ」

「もし気になる香水がありましたらお試しになってみます?」

「みます、みます!試しちゃう!」

このオッさん…!

小声で歯を食いしばりながら ふつふつ怒りを我慢してると治はまた適当に香水の間に俺を座らせて お姉さんの後ろをついてってしまった。

「おっ、おい、治っ!くそっ、また こんなとこに俺の事 置いて行きやがって!悪いな響、ちょっとだけ俺の事 抱っこして……」

すぐ隣に居るとばかり思っていた響はいつの間にか店員のお姉さん達と奥の香水棚のとこに移動して楽しそうに きゃっきゃっ きゃっきゃっ 香水の話しで盛り上がっていた。

「ひ〜び〜き〜っ!!あいつだけはって信じてたのにぃっ!!もう怒ったぞ!!こんなとこに馬鹿みたいに売り物みたいにして座ってられっかってんだ!!俺だって香水あれこれ試しちゃうもんね!!」

ペン立てみたいな入れ物に入ったムエットを数本引っ張り出して、近くのテクスチャーの香水をシュッシュ……

「出来ねー!重てー!つうか この もふもふの手じゃ香水の瓶 掴めねー!あーっ、ムエット落ちちゃった〜!!苦労して持って来たのに!」

つうか ぬいぐるみが こんだけ動き回ってんのに誰も気付かねぇって どう言うこっちゃ!?