一滴ポーション、俺クマちゃん!?

「あの…麻酔はちゃんとしてくれるんですよね?」

「麻酔?あははっ、何言ってるのよ、ぬいぐるみに麻酔なんかするわけないでしょ?そのまま縫うのよ」

無麻酔…!!

「…や、やだ…やだやだ…」

「大丈夫よ、これでも私 裁縫 上手なんだから!さっ、こっちにお尻を向けなさい」

「やだぁ〜〜〜!!」

次の瞬間 お尻に ブスッと鋭く尖った針が容赦なく刺さった。

                ……ーーー手術は死ぬほど痛かった…。でもお尻は乾いたし穴も塞がったからとりあえず良かった。だけど、どうして、こうなったと?

パン屋を後にして治に抱っこされながら再び街中を歩く俺のお尻には新しい3つのバッテンが付き、首の後ろには帽子とお揃いカラーの大きな赤いリボンが縫い付けられていた。

「…諗くん、何だかお尻がプーさんみたいだね」

「諗、リボン、似合ってるぜ?」

「……皆して俺で遊びやがって…!リボンはお前がお前の母さんに『せっかくだから着けたら?』なんて言うから縫い付けられたんだからな!?」

「まぁまぁ。より可愛いぬいぐるみになったんだから万々歳って事で明るく笑っとけよ」

「他人事だと思って!何がババンババンバンバンパイアだよ!ったく!」

「万々歳な」

「映画まだ観てないけど面白いのかな?今度皆で観に行こうよ」

「良いっスね!行きましょ、行きましょ!」

「俺は行かないからな!」

ふんっ と鼻をならしたけど怒ってる俺を2人は気になんかしなかった。

あーあー、この2人じゃなくて、もっと頼りになる別の人に助けを求めれば良かったかな?こいつらに期待して失敗だったな…。

今更自分のつまんないプライドのプの字にガッカリしてため息つきながら、側にあったどっかのビルのガラス窓に映る自分を見つめた。

「なんで俺がこんな目に…」

亜子ちゃんへの告白が成功して天国に居た気分だったのがいきなり奈落の底。上がり下がりの激しい自分の運気がマジで嫌になってきて涙が出てきた。