ぼくたちのひみつきち


2月も折り返し地点までやってきたある日。

ぼくはすっかり慣れた裏山…秘密基地までの道のりをのんびりと歩いていた。

目的地が近づくにつれて聞こえてくる声に耳をすませる。


「このっ!」


「なんの!よっと!」


最初に聞こえたのが(いつき)の声で…次に聞こえたのは甘太郎(かんたろう)だろうか。

今日は何をして遊んでいるのやら…ぼくは自然と足を速めた。

最初のころは通りづらさを感じていたこの獣道も、伊草さん救出用にと皆で道を広げてからはグンと通りやすくなったっけ。

そうしてこの先の、大きな木の下に秘密基地を作って…思い返せば色々な事があったよな。

テントで雨宿りしたり、トランプをしたり。

裏山から花火も見たし…秘密基地とその周りを掃除したり…あ、かまくらも最近作ったっけ。

皆で集めた雪はとっくに溶けてしまったけれど、楽しかった記憶は昨日の事のように思い出せる。

ぼくは、ふと足を止めた。

口から小さく息を吐く。

そして、また歩き始める。

……さて、今日は皆と何をして過ごすかな。

目的地が見えたと同時に、何かがぼくの足元に転がった。


「…ん?」


目を細め、その物体を指先でつまみ上げる。

三角形の形をした個包装の中に、豆のお菓子が入っていた。