ぼくたちのひみつきち


2人はここら辺で雪を集めていたのか。

そう思ったけど、2人をよく見ると雪の上に並んで座っている。

こちらからはその背中しか見えない。


「サボってる…わけないか。一と伊草さんだしな」


これが甘太郎と樹だったなら、小さい雪玉を全力で頭に投げてぶつけていたところだったけど。


「___すみません。僕の警護中だったのに、かまくら作りをお願いしてしまって」


ふと、一の話し声が聞こえてきて、思わず木の後ろに身を隠す。

…どうしよう、これじゃまるで聞き耳を立ててるみたいじゃないか。

だけど2人の会話は止まらない。


「いえ、坊ちゃんの頼みであればなんなりとお申しつけくださいませ」


伊草さんの背筋がピンと伸びる。

それと反対に一の背が丸くなるのが見えた。


「伊草との思い出にもなればと思ったんです。…僕たち、もうすぐこうやって会えなくなりますから」


「はぁ!?」


まさかの言葉が聞こえて、ぼくは思わず大声を出す。

振り返った一と伊草さんがぼくを見た。


「あれ、栄助くん?」


「え…ええっと…盗み聞きするつもりはなかったんだけど…ごめん」


「ふふ、いいんですよ。気にしていません」


一に手招きされて、ぼくは雪玉を置いたまま2人の元へ歩いた。

そして…立ち上がりズボンについた雪を払う一と伊草さんに、おずおずと尋ねる。


「あの…今の話、本当なのか…?もうすぐ会えなくなるって…」