「かまくらか?えっと…集めた雪を踏んで固めて、入るための穴を掘ってくだけだぜ」
甘太郎の言葉に樹が微笑む。
「なら、雪ダルマにして転がしながら雪を持ってくるのがいいんじゃね?踏むって事は、運んだ雪ダルマを壊しても問題ないだろ」
『おぉ…』
再び4人分の拍手の音が鳴った。
それなら追加で道具も使わず、量を持ってこられそうだ。
「さすが樹だな!よし、雪玉にして持ってこよう!じゃあな!」
言い終えるなり甘太郎が走って行く。
「あまり遠くに行くなよ!あとコケるなよ!!」
その背中に向かってぼくが叫ぶと、振り返る事なく甘太郎が手を振った。
全く…落ち着きがないなぁ。
やる気があるのはいい事だけど。
「そんじゃ、俺らも行くか」
樹の言葉を合図に、ぼくらはそれぞれ雪を探しに向かった。
「…といっても…どこに行くかな」
樹たちと別れ、ぼくは1人で裏山の入り口まで戻ってきていた。
ちなみにシャベルは邪魔になりそう、という理由で秘密基地に置いてきている。
「よし、ここで雪を丸めて持って行くか」
ぼくは足元の雪をコロコロと丸く作りだした。
ここら辺の雪を集められるだけ集めて、右に左にと曲がりながら上…秘密基地を目指して転がしていく。
…これ、むしろ山頂の方から始めて、下り坂を転がすようにした方がよかったか…?
秘密基地に行くまでに大きくなっていくと思うと…下から上に転がすのはキツいかもしれない。
「でも、やるしかないよな…もう作り始めちゃったし」
10分ほど雪玉をコロコロしていると、木々の向こうに一と伊草さんの姿が見えた。
ぼくは立ち止まる。



