それは果たして面白いのだろうか…。
その分野が好きな人には楽しいのかもしれないけど。
「でも本当は、じいちゃんが使ってる金づちが欲しいんだよな」
樹が呟く。
「それならおじいさんに言ってみればいいんじゃないか?譲ってもらえるかもだろ?」
ぼくが言うと樹は首を振った。
「言いだしにくいんだよなぁ…その金づち、ばあちゃんからのプレゼントで専門店の特注品でさ」
「なるほど…おじいさんが大切にしてる物なのか。それは言いにくいよな…」
「あぁ、だから一番いいのはじいちゃんの遺品として受け取る事かなって」
「お前それ、絶対におじいさんの目の前で言うんじゃないぞ」
かわいい孫の口から“遺品”なんて言葉が飛び出したら、おじいさんは泣いてしまうかもしれない。
樹は「分かってる分かってる」と言いながらミカンを口にした。
「あ~…じゃあ、一は?欲しい物ってあるか?」
気まずそうな甘太郎が一に声をかける。
一は人差し指を口元にあてて少し考えたあと、ゆっくりと口を開いた。
「そうですね…もっと大型のテントがあればいいなと思います」
『テント?』
一以外の3人の声が重なる。
「これから僕らの体も成長して、今より大きくなるでしょう?今のテントのままだと狭いかなって…」
そう言ってミカンを口に入れる一に、「へぇ~」と甘太郎が感心した様子で声を上げた。



