ぼくたちのひみつきち


「…何だよ」


「いや?栄助らしいなぁって思って」


樹がテーブルに肘をつきながら言った。

甘太郎がそれに「うんうん」と腕を組んで頷く。


「そういう事なら仕方ねぇ!父ちゃんたちに頼んどくわ、土下座して」


「なんだかんだお前に迷惑かけちゃってゴメンな」


手伝う側の要望がありすぎて、店側の人間を困らせてしまっているという自覚はある。

まぁ、OKをもらえたらラッキーという事で。

甘太郎のご両親、優しいし。


「礼ってワケじゃないけど、皆もう1個ずつミカン食べる?」


『食う(食べます)』


ぼくは持ってきていたエコバッグから残りのミカンを全て取り出した。

ちなみにこのエコバッグは11月に一からもらった十院家ロゴ付きの物である。

けっこう頑丈で使い勝手が良く、愛用している。

ミカンを全員に配り、皆で皮をむいていく。


「そういえばクリスマスっていえば、アレだよな」


一足先にミカンを食べ始めた甘太郎が声を発した。


「アレ?……もしかして」


「そう、アレだ!栄助!」


ぼくと甘太郎が顔を見合わせて声を重ねる。


『サンタさん!』


クリスマスの夜、いい子限定でプレゼントを運んでくれる不思議な存在…彼の事を忘れるところだった。


「栄助は今年のプレゼント、何をお願いするか決めたか?」


「うん、実はスマホをお願いしようかなって思ってて」


ぼくの答えに甘太郎が目を輝かせた。