「ほら…この冬の寒さの中、大人よりオレら子供が店先で売ってる方が“あっ、買ってあげなきゃ!”って気になるだろ?」
「人の心理をついた嫌な売り方だな」
「妹なんてスゴいぜ…あいつ声かけて断られそうになると泣きそうな顔して客に買わせるんだ…頼りになるよ」
「そんな手口は聞きたくなかった!」
ぼくが叫ぶ。
一と樹も苦笑いを浮かべていた。
「で、どうだ!?イブかクリスマスの予定!」
甘太郎が目を輝かせながら聞いてくる。
ぼくらは“何か予定あったっけ…”とそれぞれ考え始めた。
しばらくの間を開け、最初に樹が口を開く。
「俺はとくに出かけるとかもないな…だから人手が足りてないなら手伝うわ」
「おお!さすが樹!」
甘太郎から大きな歓声が上がる。
「そんじゃあ、イブとクリスマス…2日連続で来てもらえたりとか…?」
ソワソワとしながら樹の返事を待つ甘太郎。
それに樹がニコッと笑いかける。
「あぁ、いいぜ」
「マジか!?やったぜ!!これでスタッフ1人確保___」
その瞬間、樹の浮かべた笑みがニヤリとした物に変わった。
「その代わり…2つだ」
「な…何…!?」
樹と甘太郎___両者の間に火花が散る。



