そう言われ、辺りを見てみる。
…確かに秘密基地を作った5月と比べると、11月の現在は草が伸びきっていて見た目が悪く感じた。
納得した様子のぼくを見て甘太郎がニカッと笑う。
「なっ?オレは外担当って事で!…ちょっとやってみたい事もあるし…」
「ん?ごめん、最後なんて言った?聞こえなかった」
「な…なんでもねぇって!ほら掃除するぞ!全員、持ち場につけ!」
『?』
何か話をそらされたけど…まぁ、いいか。
ぼくらはぞれぞれ返事をしながら移動を始めた。
「今さらだけど裏山でこんな好き勝手やってていいのかな、ぼくら」
「あ、それは大丈夫です。この場所は十院家の私有地で、両親も承知していますので」
「何それ初めて聞いた」
それから数分後、テントの中。
ホウキで床を掃きながら1カ所にゴミを集めているぼくの横で、持ち主ごとに本を整理してくれていた一が声を上げた。
「あれ?」
「ん、どうかした?」
問いかけると一が困惑したようにある物を見せてきた。
「こんなの、前からありましたっけ…」
その手にはツギハギの、くったりとしたウサギのぬいぐるみがあった。
ぼくはそれを見て首をかしげる。
「いや…見覚えないな。誰のだろう…」
ちりとりにゴミを入れて、持ってきていた小さなゴミ袋を開く。
その中にゴミを入れて袋をキュッと結び、テーブルの上に置いた。
これはあとで持って帰るとして…ぼくは口を開いた。



