それから数日後。
「よーし皆!準備してきたか!?」
『うん(はい)』
甘太郎の言葉に全員が返事をした。
「あれ?」
ぼくは隣にいる一が持っていた、大きなバッグを見て声を上げる。
「そのバッグの中、何も入ってないっぽいけど…どうしたんだ?」
「あ、これは小説とか…自分で持ってきた物を入れて、持って帰る用のエコバッグなんです。…ちなみに十院家お手製でロゴ付きです」
「なんでも作るじゃん十院家」
「あはは…皆さんの分もあるのであとでお配りしますね。本などを持って帰るのがだいぶ楽になると思いますよ」
一が笑って、ぼくの手元へと視線を向けた。
「栄助くんが持っているのは…ホウキとちりとりですか?」
「ああ、うん」
そう呟いて両手に持った掃除用品を一に見せる。
どちらもまさしく“掃除といえば”な品物だ。
家の玄関用に使われていた小さめの物を借りてきたけど…まあ、テントにも使えるだろう。
「2つともポピュラーな掃除用具だし、誰かとかぶるかなって思ったんだけど…ひとまずは大丈夫そうかな」
そう言ってぼくは樹を見た。
肩にロープを巻き、長方形の木材を持った樹と目が合う。
…この光景、なんか見覚えがあるような…。
樹はぼくを見るなり開口一番こう言った。



