「どうした?」
「何かあったんですか?はっ、もしかしてどこかおケガを!?」
「いや、そうじゃなくて」
バッグから絆創膏を取り出そうとする一を手で制する。
ぼくは小さくせき払いをして、キリッと真面目な表情で言い放つ。
「今からハロウィンスイーツについて考えたいと思う」
それに続けと言わんばかりに甘太郎が畳みかけていく。
「味でもモチーフでも思いついたらオレに言ってくれよな!さぁ、始めようぜ!」
ミニテーブルに広げられたノートと、置かれたふでばこを見て樹と一が目をまん丸にする。
すまない2人とも…ぼくのためにも、この面倒事に巻き込まれてくれ。
「いや、どういう事?俺たち今から何やらされんの?」
「ハロウィンの新作スイーツだ。甘太郎の家族が悩んでるらしいから、ぼくらで手伝うぞ」
「何で栄助はそんなやる気なんだよ」
「そもそも、それって僕たち他人が意見していい事なのでしょうか…」
一の言葉に樹が「それな」と呟く。
…うん。
分かってはいたけど、協力する気ゼロだな…。
というかだいぶ後ろ向きだ。
「くっ…どうする栄助」
困った様子の甘太郎にぼくは「任せろ」と頷く。
ようは2人をその気にさせればいい。
「ちょっといいか?」
ぼくはまず樹へと声をかけた。



