ぼくたちのひみつきち


一は“読書の秋”で、樹はさしずめ“芸術の秋”といったところか。

…ぼくは何をしてようかな。

どうせならぼくも“○○の秋”を楽しんでみたいところだけど…。

あと残ってるのっていえば“スポーツの秋”と“食欲の秋”ぐらいか?

どちらもぼくっぽくないけど…今この場で出来そうな物といえば___。

ぼくはテントの入り口に向かう。


「ちょっとブランコに乗ってくる」


『おう(はい)、いってらっしゃい』


外に出てブランコに向かい足を動かす。

これをスポーツに入れると少々怒られてしまいそうではあるけど…ぼくはそっとブランコの座面に腰かけた。

実は…ちょっとやってみたい事がある。

ぼくはロープを持ち、地面を蹴飛ばしながらブランコをこいだ。

最初は小さかった動きが少しずつ速度を上げていくことで、大きな動きになり前後に揺れる。

やがて空に届きそうなくらい大きな揺れとなり…ぼくはベストなタイミングでロープから両手を放した。


「よっ!」


反動で空中へと放り出された体をクルリと回転させ___両足から地面に着地した。

…決まった、空中1回転。

今の気分はちょっとした体操選手といったところか。


「ふふ…」


ずっとやってみたかったワザが決まり、思わず笑みを浮かべる。

いや、少しだけ“ぼくは1人で何してるんだろう”という恥ずかしさもあるから、誰にも見られてなくてよかっ___。


「何してんだ、栄助」


「うわっ!?」