ぼくたちのひみつきち


「分かった!スランプなんじゃないか!?」


その言葉にぼくは首をかしげる。


「スランプって…今まで出来てた事が上手く出来なくなる、みたいな停滞期間の事だっけ?」


「そんなイメージですよね…一時的なものというか…こう、調子が出ないみたいな」


ぼくと一の話を聞いて甘太郎が「へぇ」と呟いた。


「そういう意味だったのか」


「知らなかったのかよ」


ぼくがそう言うと甘太郎は頬をポリポリとかく。


「いやぁ…なんとなく、物作りとかしてるやつが悩むっていうとそれかなぁって」


「まぁ分からなくはないけど…」


確かにスランプって、そういう人が(おちい)りやすいイメージではある。

でも…夏休みの絵日記を、終始物作りの記録で埋め尽くしたあの樹だぞ…。

スランプになんてなるのだろうか?

ぼくは両腕を組んだ。

むしろ作りたい物が多すぎて悩んでるって可能性もあるのか…?

どれから手をつけようか迷ってるというか…。

でもそういった意欲にあふれているとしたら、あそこまでボーッとしていた事への理由がつかない。

ぼくが考えていると「はい」と一が挙手(きょしゅ)をした。