そして一通り遊んだあと、ぼくらはそれぞれ食べたい物を買い、車に戻った。
車内に香ばしいソースのいい匂いが漂う。
「全員タコ焼きと焼きそば買ってたな」
「屋台で見るとつい買っちゃいますよね…」
もちろんその2種類だけでなく、イチゴ飴やチョコバナナにベビーカステラ、イカ焼きなど…様々な食べ物を入れた袋を4人それぞれが手に持っている。
「…で、花火まで30分ぐらいだけど、やっぱりここで見ていかないんだ?」
ぼくの問いかけに甘太郎が頷く。
「おう!花火は…裏山で見る!」
「えっ…?」
「ってことで伊草さん、裏山まで急いでくれ!!」
せかす甘太郎に伊草さんが頭を下げた。
「安全運転で迅速に向かいます」
車がゆったりと動き出す。
遠ざかっていく祭り会場を見つめながら甘太郎の言葉を思い返していた。
裏山で花火なんて…本当に見られるのだろうか?
木が邪魔をしてよく見えないんじゃ…。
来たときよりも混雑している道をとにかく進み、ぼくたちは再び裏山へと戻ってきた。
「栄助!花火まであと大体どのくらいだ!?」
「たぶん10分ちょっとくらい…ってどこに行くんだよ!?」
車から降りた甘太郎が裏山を駆け上がっていく。
そしてぼくらを振り返って大きく手を振った。



