ぼくたちのひみつきち


ポコンッという音と共に、樹の銃から放たれた玉が景品に当たり床に落ちる。


「スゲェじゃん樹!これで10回連続当たり!」


「まだまだいける。おっちゃん、もう1回ね」


「あ…あいよ~…」


射的屋のおじさんが泣いている。

追加の料金をもらう手がかわいそうなくらい震えていた。


「…あれは全景品が無くなるまでやる気だぞ、樹のやつ…容赦ないな」


おじさんにとって射的屋がトラウマにならなければいいけど…。


「栄助くんも樹くんのこと言えませんよ…」


一が苦笑しながらぼくの両手を見た。

その指先には大量の水風船が巻きついている。


「昔からこういうのは得意なんだよね…でもそれを言うなら一だって」


一の後ろ、伊草さんが大事そうに持っている水が入った袋に視線を向けた。

その袋の中では4匹の金魚が元気に泳いでいる。


「めっちゃ金魚すくってたじゃん。器に溢れるくらいの量…結局その4匹しかもらってなかったけど」


「あはは…つい夢中になってしまって…お恥ずかしいです」


「まぁ楽しかったならいいと思うけど、一がそんなに金魚好きだったなんてね」


ぼくの言葉に一がはにかむ。


「いえ、金魚(このこ)たちの運命が僕の手に委ねられてると思うと…すくう手が止まらなくて」


「うん、この話やめよう」