「そ、そんなことより、そろそろ行きましょう!甘太郎くんたちが待ってますし!」
「それもそうだね。…それじゃあ失礼します」
ぼくが後部座席に座り、一が前方の助手席へと座った。
それを確認して運転手の伊草さんが車を発進させる。
ゆったりと安全を第一にした走りの中、甘太郎と樹をそれぞれ迎え入れた車内はにぎやかなものだった。
「なぁなぁ!着いたらまずどれで遊ぶ!?」
「俺は射的やりたい」
「しゃ、射的…!つまり銃を撃つんですよね、僕も興味が___」
「一はぼくとボールすくいでもしてような」
「え!?」
5分ほどか経ち、車が駐車場に止まった。
「皆様、お疲れさまでした」
伊草さんの言葉を聞いて、ぼくたちは車から降りる。
祭り会場である神社の境内にはすでに人が集まっていて、それぞれがずらりと並んだ屋台を楽しんでいた。
そこから近い場所にある海辺では花火の打ち上げ準備が始まっている。
「よっしゃ、まずは遊ぼうぜ!んで、花火が始まる前に食い物買って裏山に戻るぞ!」
「えっ…裏山に戻るの?花火は?」
ぼくの疑問に甘太郎はニヤリと笑みを浮かべた。
「へへっ、オレに任しとけって!」
『う~ん…』
「誰も信用してない!?」
ショックを受ける甘太郎が気を取り直すように声を上げる。
「だ…大丈夫!ちゃんと考えがあるから…ほら、とりあえず行こうぜ!」
「あっ、こら走るな!転ぶぞ!」
屋台へと駆け出す甘太郎を皆で追いかける。
こうしてぼくらの夏祭りが始まった。



