「ど、どうした樹!?何か問題が___」
「デッカいカブトムシ見つけた」
「1回落とそうかなコイツ!!」
それから10分もしないうちに樹は下へと戻ってきた。
太く水平に伸びた枝には、間隔をあけた2本のロープがしっかりと固定されている。
「そんじゃ、あとは座る部分をロープで固定するだけだな」
樹がテントに立てかけていた長方形の木材に視線を向けた。
すごく厚みがある…これが座る場所になるのか…。
木材を見つめているとそれを取りにいった樹と目が合った。
「…栄助、結ぶのやってみる?」
「えっ…」
ぼくの目がパチパチと瞬く。
てっきり、ここも樹がやるんだろうと思っていたから完全に想定外だった。
「で…でもぼく、やり方知らないし…」
「俺が教えるって。ほら、こっち」
「うわっ!?」
樹に手を引かれて垂れ下がった2本のロープの前に立つ。
「おっ、栄助がやるのか!?」
「頑張ってください、栄助くん!」
甘太郎と一が後ろから声援を送ってきて、ぼくはついに覚悟を決める。



