「それじゃあ今からブランコ作るぞ」
「いや突然そんなこと言われても」
夏休みに入った7月のある日。
ぼくらはいつものように裏山の秘密基地へと集まっていた。
そして全員が集合するなり樹が放った言葉に、ぼくは汗を拭いながら白い目を向ける。
この蒸し暑い中、家からここまで歩きでやってきたぼくの体は、日陰に置かれたテントでの休息を求めていた。
しかしそれを阻むように樹が両腕を組み、テントの前で立ちはだかっているからもうわけが分からない。
「ねえ樹…ぼく、ちょっとテントに入りたいんだけど___」
「ダメだ、入ったら休んじまうだろ」
「休みたいんだよ!」
ぼくの必死な叫びに、それでも樹は首を横に振った。
「栄助くん…気持ちは分かりますがムダだと思いますよ…」
木陰に入り、パタパタと手で風を送っている一がため息まじりに呟く。
「栄助くんが来る前に僕も説得してみましたがダメでした…ブランコを作るまではダメだって…」
「えっと…樹がブランコ作りにここまで頑固な理由も気になるんだけど、その前に___」
ぼくは一の横で正座している…白目を向いて口から魂を飛ばしている人物に目を向けた。



