ぼくたちのひみつきち


「そんじゃ伊草さん、あと3枚よろしく頼むぜ!」


「承知いたしました」


同じ工程を3回繰り返し、全ての写真を撮影し終わったあと。

伊草さんがぼくたちに言った。


「皆様、本日はご卒業…まことにおめでとうございます」


その言葉にぼくらは声を合わせてお礼を告げた。

それから再びテントに戻り、ぼくたちはこの1年間の思い出をたくさん話す。

去年の4月に秘密基地の話が出た事。

5月に秘密基地を作り、6月の雨をしのぎながらゲームをして、7月にブランコを作った事。

8月には裏山から花火を見たし。

9月は樹の悩み当てクイズもした。

10月はハロウィンスイーツについて考え、11月にテントや基地周辺の大掃除をして…。

それから12月はクリスマスの予定を決めた。

今年の1月に降った雪でかまくらを作り、2月は恵方巻きを食べてバレンタインの話を。

あんな事もあったし、こんな事もあった。

色々な事を語りながらジュースを飲み、ポテチをつまみ、ケーキを食べる。

あっという間に時間は過ぎて、誰かが名残惜しそうに「そろそろ帰ろう」と口にしたとき。


「…最後に、ちょっとだけいいかな?」


ぼくが、そう言った。

甘太郎、一、樹がぼくを見る。


「栄助?」


「どうしました?」


「何かあったん?」


3人が不思議そうな顔で見つめてくる。

ぼくは………。

ぼくは、ずっと言いたかった言葉を伝えるために…すぅと息を吸った。