「そういえば…卒業証書って何に使うんだ?」
「え?そりゃ…部屋に飾るなり、押し入れにぶちこむなり好きにすればいいんじゃないか?」
「いやそんな実用的な使い方を聞いたんじゃなくて…ほら、学校で言ってただろ?“卒業証書を持って秘密基地に集まってくれ!”って…」
甘太郎にそう言われたから、ここに来るときしっかりと卒業証書を持ってきた。
ぼくの言葉を聞いて思い出したかのように「あっ、そうそう!」と甘太郎が笑う。
「卒業証書だ、卒業証書!一と樹も持ってきてるか!?」
そう言われた一と樹も、持ってきていたカバンから卒業証書の入った黒い筒を出す。
「持ってきましたが…何に使うのでしょう?」
一が首をかしげる。
その横で樹が甘太郎を見て笑った。
「まさかとは思うけど…言いだしっぺの甘太郎が持ってくるの忘れてる~、とかないよな?」
「………」
甘太郎の動きがピタッと止まる。
……おいおい、ちょっと待て。
まさか……?
ぼくらのひたいから冷たい汗が流れた。
一がゆっくりと問いかける。
「か…甘太郎くん…持ってきて、ますよ…ね?」
「も…もちろん!…ちょっと待ってろ…!」
そう言って甘太郎が、大慌てで自分のカバンを探った。
するとすぐに明るい声が返ってくる。
「あ、あった!あったぞ、ほら!!」
その手に黒い筒を握りしめながら、甘太郎が汗をぬぐう。
ぼくも胸をなで下ろしながら大きく息を吐いた。
「…ん?」
ふと、視線の先に気になる物を見つけ、ぼくは言葉を続けた。



