「っていうかチョコもらったって話なら、一だってもらってたじゃん?」
「何だって!?」
甘太郎の証言にぼくは一を見た。
…確かに一ならモテる要素が大アリだ…。
優しいし、いいやつだし…いやそれは樹と甘太郎もか。
でもお金持ちだし、文武両道だし…そこに惹かれる女子も多いんだろうな。
そう思っていたけど、一から返ってきた言葉は意外な物だった。
「僕がもらったのは全て男性からでしたけどね…」
『えっ…』
ぼくらの間に気まずい空気が流れる。
「で…でも、誰かに想ってもらえるっていうのは嬉しい事…だよな」
ぼくのぎこちないフォローに一がクスリと笑った。
「ふふ、そうですね。お気持ちとチョコ、嬉しかったです」
その言葉にぼくも微笑む。
誰かから何かをもらえるって、考えてみたら幸せな事だもんな。
そんな事を考えていると、樹が声をかけてきた。
「ってか栄助。俺らからのチョコは“もらった”数にカウントしてないん?」
「…確かに3人からももらったけど…お前たちぼくにチョコ渡すとき何て言ってた?」
ぼくにそう問われ、3人がバレンタインデーを思い出すように視線を上に向けた。



