モネのバースデー






 モネの学校のカフェテリアは全面ガラス張りで、食べながら芝地の庭と空が見える。

 昼食の時間、カフェテリアで、モネは並んでバイキングをしていた。


「居た居た。移動する時には一声かけてくれれば良いのに。」


 モネがトングでハンバーグを取ろうとしていると、後ろからトレーを取ったばかりのシロウが声をかけた。


「誕生日会、広間の飾りつけもう済んでるよ。」


 シロウが言った。



「誰の?」

「キミの。忘れたなんて言わないよね?」

「ああ」



 モネは合点して頷いた。

 3月はモネの誕生日だった。

 カナトとシロウどちらの家で誕生日パーティをするかで揉めていたが、結局、シロウの家でする事になったらしい。


「金と銀のモールを渡して、テーブルは式典用のを借りることにした。舞台があるから楽隊に演奏させても良いし。どうしたいか言ってよ。」


 モネがポテトを取るのを見ながら、シロウはサラダを取った。

 シロウのトレーはバランスが良く、色々な物が適宜皿に載せられている。


「カナトが家でケーキを用意するって言ったけど、当然断ったよ。うちが使う貴族御用達のケーキ屋の方が何万倍もおいしい。君にはまがい物じゃなく本物を食べさせたいんだ。」 


 シロウが言ったのを聞きながら、モネはバターの塊を取る。


「誕生日会の日、いい加減キミにも決めて欲しいしね」


 トマトを取りながら、シロウが言った。


「何を?」

「僕かカナトか。どっちが好きか。いい加減選んで貰わなくちゃ。ね?。」


 モネは困った顔をして、皿の上の取りすぎたバターを眺めた。