モネのバースデー







 駅は人が多く、天井が高く、プラットフォームには列車が停まっている。


「シロウと前に来たことがあるって言ってたけど、今度そうしたら許さないから。今お前の所に届けてやってるプレゼント、次やったら全部取り下げにするからな。」


 奥へ進んだカナトは、駅の煉瓦塀に並んだポップスターのポスターを見てふんと鼻を鳴らした。


「つまらない。こんなもの。」


 カナトが杖を一振りすると、ポスターの中の写真がひょこひょこと動き出した。



「魔法使いが居る」

「魔法使いの学校の生徒が来てるぞ」



 駅に居た人々はそう囁やき合って動くポスターを物珍し気に眺めた。



「僕たちはまだ魔法使いじゃないよ。タマゴだけどね。」


 カナトは腕組みをしてしれっとした顔で言った。 


「アホ面で見てる奴ら、魔法が使えないなんて気の毒に。……すぐ僕の家に帰るよ、モネ。」


 立ち止まっている人々の視線に目もくれず、カナトが言った。


「お前が列車の写真を撮りたいっていうから来たんだ。僕は人ゴミには居たくない。さっさとしな。」


 モネは、バッグからカメラを出すと、後ろに下がって、ホームから列車の写真を1枚撮った。