モネのバースデー





 誕生日会用に飾り付けられた広間は華やかで、飾られている花束は美しい。


「じゃあ、キミは、僕たちを選べないから不死鳥を見に行ったって言うんだね。」


 テーブルの上には銀の靴。
 三段重ねのケーキの前で、ナイフを取りながらシロウが言った。


「無鉄砲。馬鹿じゃないの。ケーキ没収。」


 カナトがケーキを食べながら言う。


「僕を選ぶなら正解だけど、確かに、カナトを選ぶんならね。」

「その逆。大昔からモネは僕のフィアンセだ。」

「まったく無計画なんだから。不死鳥、危ないよって授業で習わなかった?」

「だって……」


 カナトが言った。


「お前は一生僕のもので僕が守る。幼なじみなんだから、特別な縁だ。お前が僕を取らないっていうんなら死んでやる。」

「僕はモネがカナトに脅かされて、無理やりくっつかされるのが手に取るように分かる。さっきカナトに食ったげんこ、痛かったでしょう。」

「当然。それにお前だってやったじゃないか。」

「僕はカナトみたいに思い切り打ったりしない。たとえ心配で死にそうでも、僕はいつも、優しくして愛情を勝ち取る方を選ぶね。」


 広間のソファに寝そべっているカナトを睨んだ後、シロウはケーキを食べているモネの耳に口を寄せて囁いた。


「心配する事ないよ。どうしてもそうなったら三角関係でも良い。許してあげる。僕が一生追いかけてあげるよ。カナトが折れるまで。」


 カナトがソファから起き上がってシロウを睨んだ。


「何だって?。迷惑。聞こえてんだよ。ああ面倒、嫌になる。言っとくけど、僕は折れないからな。」



 不死鳥のご加護は?。本当にあるとしたら?。この三角関係は?。


 話者はここで話を終わる。










おわり