私のお気に入り

怖くなって鞄も持たず教室を飛び出し靴下のまま外に出ると、何故かそこに笑顔の心愛が立っていた。

「可愛いよ、瑠奈ちゃん」

可愛い?こんな誰だか分からない顔になった私が?

「心愛、何言ってんの?と言うか何で居るのよ?」

まるで待っていたかのように目の前に立ってる心愛に瑠奈は顔を顰めた。

「リップグロス、役に立ってるでしょ?」

「え…?」

「瑠奈ちゃん今日も男の子に告られてたね」

「見てたの?」

心愛はにっこり笑った。

「うん、ずっと見てた。瑠奈ちゃんは私のお気に入りなのにムカついちゃうよね」

「お気に…入り…?」

「でも安心して?私が作ったそのリップグロスを使ってたら、もう誰も瑠奈ちゃんに近付いてこないから。…それね、瑠奈ちゃんの事を思って私が作った私の手作りなの」

マスクを外した心愛の唇の皮は全部剥がれてだらだらと真っ赤な血が流れていた。

「瑠奈ちゃんとっても似合ってるよ。私で染まってもっと私の可愛い瑠奈ちゃんになってるよ」

心愛はにんまり微笑んだ。…