乃々と貸し別荘の話





「何でこいつを呼んだ?」


 色とりどりの花の咲き誇る美しいガレージ。


「僕が来たいって言ったんだ。何か文句でも?」


 乃々の隣のベンチに座って、怒り笑いの蒼空を睨み返した恭は、「ね」と乃々に同意を求めて首を傾げた。

 案外近所だった自宅から毎日の様に自転車でやって来る蒼空、それに合わせて車で乗り付けて来る恭。



「いちいち邪魔しに来んじゃねーよ要らねーんだよお前」

「悪いけど、黒沢さんは僕と約束してるから」

「な訳ねえだろ。こら乃々、なんとか言え。」

「別に良いだろ僕が居たって。ねえ、黒沢さん。」



 乃々が上を見上げてほう、と吐いた満足のため息。
 空は今日も澄んで青く晴れ渡っている。












おわり