別荘の日々は過ぎていった。
夏休みが残り少ないので、ラストスパートだと言って、蒼空親子は出掛けることが多くなっていた。
蒼空親子が出掛けている時も、乃々親子と恭親子はゆったり別荘で過ごした。
ふた親子は一緒に食事を取ったり、恭が加減して乃々と卓球をしたり、ビデオを見たりして仲良く過ごした。
乃々が自室のテーブルで犬の絵を描いていると、ノックの音がした。
乃々は犬に色を塗っている最中だったが、中断して、ソファを降りた。
「黒沢さん」
乃々がドアを開けると、恭が2人分のアイスティーのトレーを持って立っていた。
「どうしたの?」
「僕の部屋に来ない?。」
乃々は犬の絵を置いて、トレーを持った恭に付いて廊下を歩いた。


