乃々と貸し別荘の話








 お昼前に乃々が起き出して、リビングに行くと、蒼空親子が着替えを終えて出掛ける支度をしている所だった。



「全く。お前はいつも遅いんだから。」


 
 パジャマのままの乃々の頭を軽く叩いて、蒼空が言った。




「今日は叔母さんと会ってくるんだ。すぐ帰ってくるけどね。お前の事も報告してくるよ。」

「乃々ちゃんも夏休みが終わったら連れてくわ」




 ソファに座った乃々に、蒼空の母親が言った。



「とっても気の良い親戚だけど、まだ乃々ちゃんと会うって言わないのよ」



 乃々は話は面白いが人見知りだというその蒼空の親戚を想像した。

 出掛ける前に靴を履きながら蒼空が言った。



「山居と喋らないこと。僕が居ない時も。後でどうしてたか聞くからね。それじゃあ、行ってくる。」



 慌ただしく玄関から出掛ける蒼空達を、乃々はまだ半分眠ったままの顔で手を振って送り出した。