乃々は、絵を描くのが好きだった。特別うまくはなかったがそれなりになんでも描けて、乃々は将来はピアノの先生よりは画家になりたいと思っていた。
その日蒼空親子は出かけていたので、乃々が部屋で一人絵を描いていると、カチャリ、と母親がドアを開けた。
「買い物に行くわよ。」
乃々は、居間のテーブルの上でケーキを食べる蒼空を描いていた所だった。
ドアの所に立って、母親が言った。
「準備しなさい。服はそのままでいいわ。」
母親はもう支度をしていて、鞄を肩にかけていた。
「早く。」
乃々は、描いていた絵はテーブルに置きっぱなしにして、ベットルー厶にいつも持っていくポシェットを取りに行った。


