乃々と貸し別荘の話





 午前中に掃除をした後、午後になってから水着に着替えてプールに入る事にした。
 
 別荘のプールは乃々の水着と同じ様な水色で、底はプチプチした肌触りで、水を入れて入ってみると結構深かった。

 膨らませた浮き輪に凭れてプールを泳ぎながら、乃々は空を眺めた。

 浮き輪を使わずに泳いでいた蒼空は、潜水をするので、よく姿が見えなくなり、乃々は時々蒼空を探した。







 プールサイドは柵の周りの大きな木のお陰で日陰になっていた。

 乃々がデッキチェアに寝そべると空に入道雲が浮かんでいる。



「女の子とは遊べない。男だと足引っ張ったりできるけど、溺れると困るから。」



 もうひとつのデッキチェアに寝転んで、蒼空が言った。




「乃々、もう泳がないの?」

「疲れたから」

「僕は疲れない。こんな小さなプールじゃ。」

 


 頭の後ろで手を組んだ蒼空が言った。



「お前の事を考えるよ。」



 ちょっとしてから、蒼空は、デッキチェアから降りると、寝そべっている乃々に屈んだ。


 濡れた髪を片手でかき上げると、乃々の額にキスした。